岡崎市が公開した「岡崎市ヘルプポータル」と、生成AIチャットボット「おかざきAIナビ」は、行政DXの話に見えますが、企業やお店のホームページづくりにもかなり参考になる取り組みです。
特に注目したいのは、単にAIチャットボットを置いたことではありません。FAQ、手続き検索、AIによる質問対応を一体で考え、「調べる人の負担を減らす」方向に設計している点です。
おかざきAIナビとは
岡崎市公式サイトの案内によると、「おかざきAIナビ」は、市民が24時間365日、市役所の窓口に行かなくても行政サービスや手続きに関する疑問を解決できるよう、生成AIを活用して提供されているチャットボットです。
回答のもとになる情報は、市公式ホームページや「岡崎市ヘルプポータル」のよくある質問です。つまり、生成AIが自由に何でも答えるというより、行政側が持っている情報をもとに、ユーザーの質問に合わせて案内する仕組みと考えると分かりやすいです。
参考:岡崎市AIチャットボット「おかざきAIナビ」の利用上の注意事項
ヘルプポータルで大事なのは「AIを置くこと」ではない
ヘルプポータルの支援企業であるBlueshipの発表では、岡崎市ヘルプポータルは、FAQ、AIチャットボット、手続き検索機能を一体化したサービスとして紹介されています。ここがとても重要です。
AIチャットボットは便利ですが、それだけでユーザーの疑問がすべて解決するわけではありません。元になるFAQが整理されていなければ、AIの回答も曖昧になります。手続きページの内容が分かりにくければ、AIが案内しても最後の理解でつまずきます。
つまり、AI活用の前に必要なのは、情報の整理です。ユーザーがどんな言葉で困りごとを表現するのか、どのページへ進めば解決するのか、問い合わせが必要な場合はどこで受け止めるのか。ここまで含めて設計しないと、AIは本来の力を発揮しにくくなります。
中小企業や店舗サイトに置き換えるとどうなるか
この考え方は、企業サイトや店舗サイトにもそのまま応用できます。たとえば、よくある問い合わせとして次のようなものがあります。
- 料金の目安を知りたい
- 依頼から納品までの流れを知りたい
- 自社のケースでも対応できるか知りたい
- 補助金や制度が使えるか知りたい
- 問い合わせ前に、最低限の不安を解消したい
こうした疑問に対して、ただ「お問い合わせください」と置くだけでは、ユーザーの心理的な負担は残ります。FAQ、サービスページ、事例、ブログ記事、問い合わせフォームをつなげておくことで、ユーザーは自分のペースで理解を深められます。
レイヤーワークスでも、AIを活用した業務効率化アプリ制作や、Web戦略から考えるホームページ制作では、見た目だけでなく「問い合わせ前の不安をどう減らすか」を大事にしています。
生成AIを使うときの注意点
岡崎市の案内でも、生成AIの回答については、質問によって正確な回答ができない場合や、関連性の低い回答が表示される場合があると説明されています。これは企業サイトにAIチャットボットを導入するときにも同じです。
AIを使うなら、最低限次のような設計が必要です。
- AIが参照する情報源を明確にする
- 回答できる範囲とできない範囲を決める
- 重要な判断は人に引き継げる導線を用意する
- 回答ログやフィードバックを見て、FAQやページ内容を改善する
- 個人情報や機密情報を入力しないよう注意を出す
AIチャットボットは「置いたら終わり」のツールではなく、サイト改善や業務改善のサイクルに組み込んでこそ価値が出ます。
Web制作で本当に設計すべきもの
今回の岡崎市の取り組みから学べるのは、ユーザーが「何を知りたいのか」を起点に、情報の入口から解決までをつなぐことの大切さです。
ホームページ制作というと、デザインやページ数の話になりがちです。しかし実際には、ユーザーが不安なく進める導線、社内で更新しやすい情報設計、問い合わせ対応を軽くする仕組みまで含めて考える必要があります。
AIを活用する場合も同じです。AIそのものより先に、情報の整理、FAQの設計、問い合わせ導線、運用体制を整える。そこまで考えることで、AIは単なる流行ではなく、業務をスムーズにするための実用的な仕組みになります。
まとめ
岡崎市の「おかざきAIナビ」とヘルプポータルは、地域の行政サービスを分かりやすくするための取り組みです。同時に、地域企業やお店にとっても、これからのWebサイト設計を考える良いヒントになります。
問い合わせを増やすだけでなく、問い合わせ前の不安を減らす。AIを使うだけでなく、AIが力を発揮できる情報設計を整える。こうした視点を持つことで、ホームページは単なる会社案内ではなく、事業を支える実用的な窓口になります。
AI活用やWeb導線の見直しを検討している方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。