前回、ChatGPT の画像作成で架空シャンプーの LP 画像を作ってみたところ、一発目としてはかなり高い品質の画像が出てきました。
商品名、キャッチコピー、価格、CTA、口コミ、悩み訴求まで入っていて、日本語もかなり自然。美容系や化粧品系の LP ラフとしては、十分に「ビジネスで使える段階に近づいてきた」と感じる結果でした。
ただし、実務で本当に大事なのはここからです。
クライアントワークでは、初稿がどれだけ良くても、ほぼ必ず修正が入ります。
そこで今回は、前回生成した LP 画像に対して「コピーだけ変更したい」と指示してみました。
結論から言うと、AIとしてはかなり賢い反応でした。
でも、制作実務の「文字だけ直したい」という目的には合いませんでした。
変更したかったのは、コピー1カ所だけ
今回変更したかったのは、メインコピーの一部だけです。
変更前は、次のコピーでした。
朝、髪がまとまるだけで、1日が少しやさしくなる。これを、次のコピーに変えたいと指示しました。
夜、寝る前のケアから解放され、翌朝自然と髪がまとまる。こちらの意図としては、あくまでコピー変更のテストです。
前回の LP 画像の雰囲気、構成、商品ボトル、価格訴求、口コミ、全体レイアウトはできるだけそのままにして、メインコピーだけ差し替えられるのかを見たかったわけです。
Before:前回の生成LP画像
まず、前回出てきた画像がこちらです。

ファーストビューとして、かなり完成度があります。
商品ボトル、モデル、ラベンダー、泡、価格訴求、CTA がまとまっていて、「ナイトリペアシャンプー」の世界観も分かりやすい。もちろん細部の確認は必要ですが、初回提案のラフとしてはかなり強い画像です。
After:コピー変更を依頼した結果
そして、同じチャットの続きでコピー変更を依頼した結果がこちらです。

見て分かる通り、コピーは反映されています。
ただし、変わったのはコピーだけではありません。
- 画像全体の縦横比が変わった
- ファーストビューの構成が変わった
- モデルのポーズや場面が変わった
- 商品ボトルの見せ方が変わった
- 価格訴求やCTAの見た目も変わった
- 下層セクションの構成も作り直された
こちらの意図は「文字だけ変えたい」でしたが、ChatGPT は新しいコピーの意味をくみ取り、LP 全体を再設計する方向へ動いたように見えます。
これは単純な失敗ではない
ここがおもしろいところです。
今回の結果は、単純に「失敗した」と言い切るには少し違います。
むしろ、新しいコピーから意図を読み取り、ビジュアル全体を作り変えたこと自体はかなりすごいです。
変更後のコピーは、「夜、寝る前のケアから解放され」「翌朝自然と髪がまとまる」という内容です。すると生成画像も、前回よりさらに「夜」「睡眠」「ベッド」「寝ている間のケア」という方向に寄りました。
つまり AI は、単に文字を置き換えたのではなく、コピーの意味に合わせて LP 全体の世界観を再構成したわけです。
これは広告制作の発想としては、かなり自然です。
でも、今回やりたかった作業とは違います。
AIとしては優秀。でも制作修正としては困る
制作現場での修正依頼には、いくつか種類があります。
たとえば、
- コピーだけ変えたい
- 価格だけ変えたい
- ボタン文言だけ変えたい
- 写真だけ差し替えたい
- 全体の方向性から見直したい
これらは、すべて違う修正です。
今回こちらが求めていたのは、1つ目の「コピーだけ変えたい」でした。
しかし ChatGPT が返してきたのは、どちらかというと「全体の方向性から見直した」画像です。
この違いが、生成画像をビジネスで使うときの落とし穴になります。
| やりたいこと | 実際に起きたこと |
|---|---|
| メインコピーだけ差し替えたい | LP全体が作り変わった |
| 前回の良かった部分を残したい | 構成や写真まで変わった |
| 修正前後を比較したい | 別案として比較する形になった |
| 納品データとして調整したい | 画像1枚なので細部の固定が難しい |
画像1枚のままだと、修正指示に弱い
この問題の本質は、ChatGPT だけの問題ではありません。
画像生成AIで作った LP は、見た目としては1枚の完成画像です。
しかし、制作データとして見ると、レイヤーが分かれていません。
通常のデザイン制作なら、
- 背景
- 商品画像
- 人物写真
- 装飾
- 見出し
- 価格
- CTAボタン
- 口コミ
- 注意書き
といった要素が、Figma や Photoshop、Canva、HTML/CSS などで分かれています。
だから「価格だけ変える」「ボタン文言だけ変える」「キャッチコピーだけ変える」ができます。
一方、生成画像を1枚の画像として扱うと、AI はその画像全体を再解釈して描き直します。結果として、指定した文字以外の部分まで変わりやすくなります。
業務で使うなら、最初からレイヤー分けを前提にしたい
今回の実験から分かるのは、生成画像をそのまま納品物にしようとすると、あとで修正にハマりやすいということです。
特に LP やチラシのように、文字情報が重要な制作物では注意が必要です。
業務で使うなら、最初から次のように分けた方がよさそうです。
- AIで世界観や背景、商品イメージを作る
- キャッチコピーや価格、CTAは別レイヤーで配置する
- 実際の納品物はFigma、Canva、Photoshop、またはHTML/CSSで組む
- 修正が入りそうな文字は、画像に焼き込まない
- AI生成画像は「完成品」ではなく「素材」または「方向性ラフ」として使う
こうしておけば、コピー変更や価格変更が入っても、画像全体を作り直さずに済みます。
Codexでやるなら、発想が少し変わる
同じことを Codex に頼むなら、画像を再生成するより、制作データとして分解する方向に持っていく方が現実的です。
たとえば、
- 元画像から文字部分を避けて背景素材として使う
- HTML/CSSでLPのファーストビューを再現する
- テキストはブラウザ上の文字として配置する
- ボタンや価格は編集可能な要素として作る
- 必要なら画像の一部だけを素材化する
という進め方です。
これは「AIで1枚画像を直す」のではなく、「AI生成画像を参考に、修正に耐えるLPデータへ作り直す」考え方です。
おそらく実務では、この方向の方が安全です。
まとめ
ChatGPT で作った LP 画像は、コピー変更の意図をくみ取って、かなり自然に作り直してくれました。
ただし、今回やりたかったのは「新しいLP案を作ること」ではなく、「前回のLP画像のまま、文字だけ差し替えること」です。
ここに、生成画像を業務で使うときの大きな注意点があります。
AI は、良い案を作るのはかなり得意になっています。
でも、制作現場で必要な「この部分だけ直す」「他は変えない」「修正履歴を保つ」という作業は、画像1枚のままだとまだ難しい。
だから、生成画像を納品物に近づけるなら、最初からレイヤー分けを前提にする。
これが、あとでハマらないための重要なポイントになりそうです。