ChatGPTと、Codexに画像生成を頼むことは一緒ではない

AI生成LPを編集可能なレイヤー構造へ分解するイメージ

前回の記事では、ChatGPT で作った LP 画像に対して「コピーだけ変更したい」と指示したところ、文字だけではなく LP 全体が作り変わってしまった、という話を書きました。

ただ、その結果は単純な失敗ではありませんでした。
AI は新しいコピーの意味を読み取り、夜・睡眠・翌朝のまとまりという訴求に合わせて、LP全体を再設計してくれたように見えました。

AIとしてはかなり賢い。
でも、制作実務の「この文字だけ変えて、他はそのまま」という修正には向いていない。

そこで気になるのが、ChatGPT に頼むのと Codex に頼むのは何が違うのか、という点です。

どちらも最終的には OpenAI の画像生成・編集機能を使うなら、同じことではないのか。
今回は、この違いを整理します。

結論から言うと、画像生成モデルだけを見れば近い部分があります。
でも、ChatGPT と Codex では 仕事の組み立て方 が違います。

画像を作るAIと、制作物に組み直すAI

ChatGPT の画像作成は、画像そのものを作ったり、アップロードした画像を編集したりする用途に向いています。OpenAI のヘルプでも、ChatGPT では画像を生成したり、生成済み・アップロード済みの画像を編集できると説明されています。

一方、Codex は画像生成専用ツールではありません。OpenAI は Codex を、コードを書くだけでなく、ソフトウェア制作や複数ファイルにまたがる作業を支援するエージェントとして説明しています。

この違いは、LP画像の修正でかなり大きく効いてきます。

依頼先得意な方向
ChatGPT画像を作る、画像を変える、別案を出す
Codex画像を素材として扱い、修正可能な制作物へ組み直す

つまり、同じ画像生成AIを使うとしても、目的が違います。

ChatGPTは「画像全体を再解釈」しやすい

ChatGPT に対して「このコピーに変更したい」と依頼すると、AI はそのコピーの意味を読み取ります。

前回の例では、

朝、髪がまとまるだけで、1日が少しやさしくなる。

を、

夜、寝る前のケアから解放され、翌朝自然と髪がまとまる。

へ変更したいと指示しました。

すると、ChatGPT はコピーだけを差し替えるのではなく、夜、睡眠、ベッド、寝ている間のケアといった方向に LP 全体を寄せてきました。

これは、発想としてはかなり自然です。
広告の新しい訴求に合わせて、ビジュアル全体を作り直したわけです。

ただし、実務でほしかったのはそれではありませんでした。

ほしかったのは、

  • 前回の構成は残す
  • 商品ボトルも残す
  • 価格訴求も残す
  • CTAも残す
  • メインコピーだけ変える

という修正です。

ChatGPT は「新しい案を作る」方向に強く、画像1枚の中で指定部分だけを完全に固定して直すのは苦手になりがちです。

Codexなら、画像をそのまま直すより分解を考える

では Codex に頼むとどうなるのか。

ここで大切なのは、Codex に「この画像の文字だけ変えて」と頼むのではなく、このLPを修正しやすい制作物に組み直してと頼むことです。

たとえば、Codex なら次のような発想に持っていけます。

  1. 生成されたLP画像を参考資料として読む
  2. 背景、商品、人物、装飾、テキスト、CTAを要素に分ける
  3. テキストは画像に焼き込まず、HTML/CSSやデザインツール上の文字として配置する
  4. 価格やボタンも編集可能な要素として作る
  5. 画像生成AIは、背景素材や商品イメージの作成に使う

この場合、画像生成AIはあくまで素材作成の一部です。

最終的な成果物は、画像1枚ではなく、修正可能な LP データになります。

実務で大事なのは、同じ見た目より同じ構造

生成画像を見ていると、つい「この見た目をどこまで再現できるか」に意識が向きます。

もちろん見た目は大事です。
ただ、クライアントワークでは、それ以上に「あとで直せるか」が重要です。

たとえば、納品前にこんな修正が入ることは普通にあります。

  • 初回価格を変更したい
  • 送料無料の表記を消したい
  • CTAを別の文言にしたい
  • 商品名の表記を変えたい
  • 法務チェックで効能表現を弱めたい
  • スマホ版の見え方を調整したい

このとき、画像1枚しかないと毎回再生成になります。
すると、直したいところ以外まで変わる可能性があります。

一方、テキストやボタンが別要素になっていれば、必要な部分だけを直せます。

実務では、同じ見た目を作ることより、同じ構造を保ったまま修正できることが大切になります。

ChatGPTとCodexの使い分け

今回のようなLP制作では、私は次のように使い分けるのが現実的だと感じます。

フェーズ向いているAI理由
方向性出しChatGPT世界観や別案を一気に出しやすい
ビジュアルラフChatGPT商品・人物・雰囲気をまとめた画像が作りやすい
構造化CodexHTML/CSSや部品分けに落とし込みやすい
修正可能なデータ化CodexテキストやCTAを編集可能な形にできる
最終確認人間法務、ブランド、表現、実装可否は人間が見る

ChatGPT は、アイデアやビジュアル案を広げるのに強い。
Codex は、その案を実務で扱える構造へ落とし込むのに強い。

この違いを分けて考えると、かなり使いやすくなります。

「画像生成AIで作ったLP」をそのまま納品物にしない

ここで注意したいのは、AI生成画像を否定したいわけではないということです。

むしろ、初稿のスピードと品質はかなり上がっています。
化粧品や美容系のように、世界観が重要なLPでは、一発目のラフとして非常に強いです。

ただ、そのまま納品物にしようとすると、修正で詰まります。

だから業務で使うなら、

  • ChatGPTで方向性を出す
  • 良い案を選ぶ
  • Codexで構造化する
  • テキストやCTAを編集可能にする
  • 必要な素材だけ画像生成AIで作る
  • 人間が最終確認する

という流れが良さそうです。

これは「AIに全部作らせる」ではありません。
AIが得意な工程を見極めて、制作フローの中に組み込むという考え方です。

次に試したいこと

次に試したいのは、実際に AI 生成LPを、修正しやすい形へ分解することです。

たとえば、

  • 背景や商品イメージは画像として使う
  • メインコピーはHTML上のテキストにする
  • 価格やボタンもCSSで再現する
  • スマホ表示も前提に組む
  • 必要に応じて画像素材だけを再生成する

この流れなら、コピー変更や価格変更にも対応しやすくなります。

AI生成画像は、完成品ではなく、制作の出発点としてかなり優秀です。
ただし、納品物にするなら、修正できる構造へ変換する工程が必要です。

まとめ

ChatGPT に頼むことと Codex に頼むことは、最終的に同じ画像生成AIを使う場面があっても、同義ではありません。

ChatGPT は、画像を作る、画像を変える、別案を出すことに向いています。
Codex は、その画像を参考にして、HTML/CSSや部品に分けた制作物へ組み直す方向に向いています。

つまり違いは、画像モデルそのものではなく、ワークフローです。

AI生成画像をビジネスで使うなら、
生成できるか だけではなく、
あとで直せる形にできるか
を考える必要があります。

ここを分けて考えると、ChatGPT と Codex の使いどころがかなり見えてきます。