岡崎市は2026年9月28日から、市役所本庁舎でAIアバターを使った庁舎案内の試験運用を始めます。タッチモニターへ話しかけると、窓口や簡易な手続き情報を案内し、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語にも対応する計画です。
企業や店舗で受付AIを検討するときも、「何件答えたか」だけでは導入効果を判断できません。正しく案内できたか、迷った人を人へ引き継げたかまで確認する必要があります。
1.回答の正確さ
最初に見るのは、質問へ何か答えたかではなく、正しい窓口や手続きへ案内できたかです。
同じ意味でも、利用者の言い方はさまざまです。「住所変更」「引っ越してきた」「転入の手続き」など、表現が違っても適切に案内できるかを試します。
正答率だけでなく、間違った案内を自信ありげに答えた件数も重要です。分からないときに「確認が必要」と判断できることも品質に含めます。
2.人への引き継ぎ
岡崎市の発表では、オペレーターへの自動接続も順次追加予定とされています。受付AIにとって、人への引き継ぎは失敗ではありません。
複雑な相談、個人情報を含む質問、緊急性のある内容は、人が対応したほうが安全です。
確認したいのは、次の点です。
- どの条件で人へ切り替えるか
- 担当者へ質問内容が引き継がれるか
- 利用者が最初から説明し直さなくてよいか
- 対応時間外の案内が明確か
3.操作のしやすさ
回答が正しくても、声を認識しない、文字が小さい、操作方法が分からない状態では利用されません。
庁舎や店舗のように周囲の音がある場所では、音声認識の精度だけでなく、画面タッチや文字入力など別の操作方法も用意したいところです。
利用を途中でやめた件数、同じ質問を繰り返した回数、職員が操作を手伝った回数も改善材料になります。
4.情報更新の速さ
窓口、営業時間、必要書類、担当部署が変わったとき、AIの案内も更新できなければなりません。
AIそのものを学習し直すことより、参照する公式情報を誰が更新し、いつ反映するかが重要です。古いWebページやPDFを参照していれば、AIは古い案内を分かりやすく説明してしまいます。
受付AIを導入する前に、情報の管理者、更新期限、公開可否、確認手順を決めます。
多言語対応では翻訳以外も確認する
言葉を翻訳できても、制度名、窓口名、住所の書き方が利用者に伝わるとは限りません。日本語の案内をそのまま直訳するのではなく、何を持参し、どこへ行き、次に何をするかを確認します。
通訳が必要な相談や、翻訳精度を保証できない内容は、人へ切り替える表示も必要です。
企業の受付AIへ置き換えると
会社や店舗では、次のような用途が考えられます。
- 担当部署の案内
- 予約前のよくある質問
- 持ち物や来店方法の案内
- 製品・サービスの一次案内
- 営業時間外の問い合わせ受付
- 多言語での基本案内
ただし、契約判断、医療・法律相談、個別の料金確定など、AIだけで完結させない業務も先に決めます。
試験運用で記録したい項目
- 正しく案内できた割合
- 人へ引き継いだ割合と理由
- 利用を途中でやめた割合
- 回答に使った情報の更新日
- 利用者アンケート
- 誤案内を修正するまでの時間
受付AIは、人の代わりを置くことが目的ではありません。よくある案内を分かりやすくし、判断が必要な相談を適切な人へ届ける仕組みとして評価することが大切です。